お金の話と魂の目的

2022年4月17日午前3時55分天秤座にて満月を迎えました

個人事業主になったとき
最初にやろうと思ったことが
財布を新調することでした。

事業を行う上でお金は大事なもの
だから大事なお金を入れるものは
大事なものにしよう

そう思って買ったのが
ボッテガヴェネタの財布でした。

会社勤めの頃
ボッテガヴェネタのカバンが

欲しくて欲しくてたまらなかったけど
買えるほどの収入はありませんでした。

その時の思いもあって
ボッテガヴェネタの財布を持てた時は
本当に嬉しかったです。

予算の倍だったけど
一目惚れして買いました。

お金を払うたび
財布に触れるたび
嬉しい気持ちでいっぱいでした。

 

でも!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時点で私は大間違い
だったんです。

 

個人事業主として1番大事なことって
お金じゃないんです。

理念や志であると
5年目にして体感しています。

今日はその体感についてのお話しです。

2020年の終わりに

湯河原町の柑橘類で石けんを作りたい

と思いたち計画を進めていました。

その理由は、簡単に話すとこんな感じです。

 

ある日、湯河原町の板金職人さんとの会話で

「湯河原町もさ、50 ~60年前のみかん産業はすごく盛んだったみたいなんだよね。今はあんまり売れなくなっているみたいだけどね~」

と言われ、そんなのいやだ!と猛烈に思いました。

秋、オレンジに染まる段々畑の光景は、東京から移住をしてきた私の目に大変美しく映りました。

その光景が、今すぐではなくても将来減ってしまう可能性を想像したとき、心にぽっかり穴が空くような深い喪失感にかられました。

そこで、湯河原町で今まで廃棄されている柑橘類が、人から愛されるものとして形を変えることができたらと考えたからなんです。

(実がなって地に還っていくのが本来の流れでそのうちの一部をいただいているので、人間のために実をつけているのではないのですが)

 

この思い立ちから、いろいろ資金が必要なので日本政策金融公庫から融資を受けることにしました。2021年3月のことでした。

ところが、やりたいって思いだけで勢いよく申し込んだはいいけど、初めての融資という場面を目の前にした途端、緊張でいっぱいになりました。

日本政策金融公庫からの融資には、面談があります。

『考えるな、感じろ』で、生きている私にとって、ビジネス(お金)の説明は心の底から苦しい場面だったんです。

 

相手はどんな人だろう…

何を聞かれるのかな…

答えられなかったらどうしよう…

 

不安はどんどん広がっていきました。

とはいえ、面談の日程は刻一刻と迫っているので、公庫から届いた文書に書いてある資料を作成することに専念しました。

 

 

湯河原町のものを作るんだ…

 

その思いだけで動いていました。

 

面談の当日。不思議と緊張はほどけていました。

なぜかというと、面談に必要な資料を作っているうちに、考えがまとまり「答えられなかったらどうしよう」という不安が消えたからです。

むしろ、「私の事業の話を聞いてもらいたい!」という氣持ちになり、緊張がワクワクに変わっていました。

日本政策金融公庫の面談は2時間ほどでした。

終わってみると自分の事業の話を思う存分でき、充実した時間でした。

 

面談の潮目が変わった瞬間はよく覚えています。

「強みはなんですか?」という質問に対して「私です。」と言い、ペンを止め顔をあげた担当の方に対して再度、

 

商品は私です。

私自身が強みです。

 

と一点の曇りなく答えた瞬間だったと思います。

 

そして、売上計画書を見た担当の方から「西村さん、儲ける氣ありますか?」と聞かれ

「ありません。この事業が正しいものだったら後から自然とついてくるものだと思っています。」と答えた私に

「う~ん、ほとんどの方はどれだけ売上をあげられるか語るんですけどね。理念を大事にされているんですね。」

と、わかってもらえたときは本当にうれしかったです。

担当の方に恵まれました。

 

さらに、担当の方の言葉は自信を与えてくれました。

僕、長くこの仕事をしていますが、こんなによくできた事業計画書は初めて見ました。

決算報告書を拝見した時点では出せてこのくらいかな~という見立てでしたが、上役にはこの4倍の金額で交渉してみます。

 

そして、面談から1週間後…

 

審査結果と申込書が届き、さらに1週間後、入金の確認ができました。金額は当初言われていた金額のなんと4倍。

担当の方は言葉の通り動いてくれたんです。ものすごい緊張と共に申し込んだ融資でしたが、得たものはお金よりむしろ自分の理念に自信をもつことができた経験でした。

 

(担当の方に恵まれました。心から感謝。感涙)

 

 

日本政策金融公庫から融資を受けることができたのは、お金を借りるためなのにお金から離れたからと感じています。

 

お金ってないと精神的に余裕もなくなるし、怖れにも繋がる。

だけど、個人事業主5年目にして思います。

やっぱりお金を追うと苦しい。

 

お金を稼ぐためには?

から思考をスタートすると、うまくいかないんです。

 

なぜやりたい?

どうなりたい?

 

ここをはっきりさせて、その方向へまっすぐに向かう。

すると自然に『必要な』お金がついてくると思うのです。

 

(根っからの起業家タイプはお金スタートが合っているんじゃないかなと思います。)

 

しかも、理念や志をはっきりさせてメッセージとして伝えていると、同じ志を持った人と繋がれるようになるんです。

2021年は、ほんとうにご縁の年でつながりたい人とどんどん繋がって、こうしたいな~と思っていたら、そのできごとを運んできてくださった方もたくさんいました。

そして、今年はさらにお話が広がっていて、今まで付き合っていた方とのお付き合いがどんどん深くなっていっています。

一緒にやりたいことをしているからなんですね。好きな人たちと一緒に好きなことをできている充足感は、やっぱりいい。

 

そしてそして

「あの人もいつかどこかで仲間になるんだろうな」って人にも出会えてきました。

 

 

自分の大事なモノをはっきりさせると、どんどん加速していくのを体感しています。

私はというと、けんさんとの関係性でした。

おもしろいもので、けんさんと夫婦の対話にだけ集中したら、事業も前進しはじめました。

仕事に対してちっともエネルギーを注いでいないのに、けんさんとの対話を重ねていくことで関係がよくなったら、仕事が増えていったんです。

 

最初は信じられなかったけど、

 

私にとって

 

一番大切なもの

一番の願いである

 

けんさんと家で愛溢れる中で過ごす

 

私はここに

全エネルギーを注いだ

んです。

 

そしたら、お金に対する不安が消えて、前にだけエネルギーを向けられるようになっていきました。

 

 

仕事ってどうしても結果を求めてしまいます。

 

誰から見ても成功している姿でありたいとか

融資を受けていたらその返済を滞りなくすることに一番意識を向けてしまったりとか

他には、「お金がなくなったらどうしよう」という怖れの感情で、やりたくないことでもムリヤリ自分を動かしてしまったりとか

 

これ、私は全部経験しましたが、何にも楽しくないし、苦しいだけでした。

 

ちょっと話がそれてしまいますが、こうして大事なモノにエネルギーを注げていない状態は、そのモヤモヤを紛らわすために、必要以上に食べたり、必要以上にモノを欲しがったりします。

それは、必要以上に生き物を殺すことになるのです。

人が本当に欲しいものへ向かったら、恐怖と苦しみを散々味わわされた上に『破棄』されているたくさんの命がなくなると私は思うのです。

(モッツァレラチーズの背景にある水牛の子ども、安い大量の卵を生産するために『破棄』されているオスのひよこ達。化粧品をつくるためのうさぎたち。あげたらキリはないけど、たくさんの残酷さが私たちの「おいしい・楽しい・かわいい」の背景にある。)

 

 

一番大事なモノをはっきりさせる

そして

そこへ全エネルギーを注ぐ

が、幸せの近道だと私は思っています。

 

 

追伸

ボッテガヴェネタのお財布はトカゲの皮で作られたものです。

「トカゲの皮なんだ!かっこいい」と、なんの抵抗もなく、なんの疑問も持たずに買った自分をなんておろかだったのだろうと感じています。

お財布に触れるたび、その愚かな自分と描く未来の自分を考えさせられています。

「え?財布のためにトカゲを殺しているんだよ?そんな財布を使っているの?それってダサくない?」って、多くの人が言葉にする時代がやってくると真剣に思っています。

 

 

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