うつ病と診断されていた頃の長い間、
食事のときは必ず舌を噛んで
口の中は血だらけになっていた。
氣をつけているのに、
毎回何度も何度も噛んでしまう。
もちろん死にたいと思っていたから、
僕の自律神経も食べることに対して、
生きることに対して、
こんなカタチで拒絶していたんだろう。
ひとそれぞれ、
過食や拒食、不眠といったサインで
生に対する拒絶を伝えるけど、
もう一歩先には
生への執着があるのだと思う。
魂は、こうやって
「生きているからこそ、感じられる痛み」
を
「生の尊さ」
を
教えようとしていたのかなと
今だから思える。
脳は弱いから、
いろんな形で持ち主にサインを送って
頼っている。
でもそのサインを、
伝えたい苦しみを
他人や薬に委ねることを魂は望んでいるか?
魂は、深淵の闇に溶けこみながらも
沸々と熱を失わない。
再び陽の光を浴びるときを待ち侘びている。
他人には決して見えない自分だけの自分。
僕の内を他人に預けたら
僕は僕を遠ざけてしまう。
深淵から魂を連れてこれるのは僕だけで、
再び陽射しを浴びた魂は、
そのとき紫色に変容してみえた。
そんな色を香りというカタチにした
練り香水を製作しました。
深淵からの「紫遷」
※ジャスミンは精神の覚醒、心の落ち込み、抗うつにも効果があると言われています。
サンダルウッドは世俗的な不安や執着心を落ち着かせ、崇高な意識への手助けになると言われています。
主にこれらを調合した「紫遷」は、どこまでも深くどこまでも魂に近づける香りに感じました。
西村健