抜けるような青空@星舟庵の母屋上
23歳の頃の話。
焼肉屋でアルバイトを
していたときのこと。
注)オチはありません。
ほんとにありません。笑
私、好きな人がいたんです。
んで、告白したい。
でも、断られたらどうしよう。
あぁ~でも言いたい。
と、ウジウジしている私に
焼き肉屋の社長はこんな言葉を
かけてくれました。
後悔するときっていうのはな、
余力が残っているときなんだよ。
やってみて失敗したときは、
思い出してもそれなりに
いい話になるんだよ。
だけどな、
あの時やっておけばよかった、
って気持ちはな、
時々出てきてしばりつけ、
前に進もうとする力を
奪ったりするんだよ。
グタグタ言っていないで、
行ってこい!
振られたら銀座で寿司くらい、
ご馳走してやるよ。
上手くいったら、
俺の酒に付き合え。
大学時代をラグビー一筋で過ごし、
野〇証券の営業で全国トップになって、
起業したエネルギッシュな社長っぽい、
言葉だなぁ~と思います。
歳は一回り上だっだし、
身長は2m近くあったし、
声は低いし、
ものすごい威圧感だった。
でも、
言葉や行動に熱があって、
若い私の背中をど~んと、
押してくれていたなぁ~
と、感謝しています。
思い返してみたら、
出会いも別れも
不思議な人でした。
この社長との出会いは、
通りすがり。
当時私は、16時30分が定時の会社に
派遣社員で働いていました。
場所は東銀座の小さな事務所。
職種は経理事務。
ほぼほぼ定時の会社だったので、
夜の時間が結構あったんです。
と、いっても
毎日遊んでいられるような
性分でもない。笑
何かバイトでもしようかな〜
って思ってた。
っで、
たまたま一駅歩いて帰った日。
求人広告に目がとまりました。
塩焼肉。
アルバイト。
週1日からでも。
塩焼肉か~~
いいなぁ~
って、思って
(「そこ?」ってツッコミはナシでお願いします。笑)
のれんをくぐりました。
そしたら、
ちょーーでっかい男の人が
のそのそ出てきて。
(身長2m近くあるからね。)
威圧感と雰囲気に
びっくりしたけど、
ひるまず、
(20代の私は無敵であった。笑)
あ、あの。
外の求人見てきました。
って、言ったら・・・
じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと
私の目を黙って見て。
ヒトコト。
よし。
明日から来い。
(時間にして1分くらいだったかな。もっと短かったかもしれないけど、とにかく怖かった。汗)
私が、
履歴書とかいいんですか?
って言ったら、
お前は、
顔に全部書いてあるから、
なくていい。
(今思い返せば、初対面の私に「お前」って、どーかと思うけど、それも違和感なかったんだよね。笑)
っで、次の日から働くことになって。
お料理は、
ほんとに肉に岩塩を振っただけ。
それが、
ちょーーーーーおいしかったし、
店は、ちょーーーーー人氣だった。
その店では、
店舗営業の経費の在り方を
だいぶ教えてもらった氣がする。
ケチった分、
取りこぼすって。
んで、
時にはしかられながらも、
楽しく充実した
アルバイトの時間を過ごしていました。
23歳の私には、
社長の『まんまの熱』が
本当に心地よかったんだと思う。
んで、別れは急に訪れた。
この店、今日で最後だから。
俺は今晩ここを発つから。
今後、俺の携帯には絶対電話するな。
誰かに俺のことを聞かれても、
絶対に知らないと言え。
お前の命のためだ。
って、言われてそれっきり会ってない。
彼は、裏の世界とも
少し繋がりがあるようなことを
チラっと話してくれたことがあった。
その辺りで何かあったのかな…
って、思ってる。
この社長、ほんと思い返せば、
たくさんの言葉をくれた。
あるお客さまについて
話してくれたことがある。
あのテーブルの客はコレだ。
(頬に傷を書くしぐさをした)
あの中にナンバーツーがいるけど、
お前はどの男だと思う?
って、聞かれて
一番派手で怖そうな人を答えた。
すると、
後頭部をペシっとたたかれて(笑)
だから、お前はぬるいんだよ。
一番、控えめな男だ。
大事なことは、
目立たないところにあるんだよ。
よく覚えておけ。
って、こともあったなぁ~。
今、なんで社長のことを
書きたくなったかわからないけど、
人として大事なことを
教えてくれて人だった。
社長、どうしているかなぁ~
生きているかな〜
久しぶりに会いたいな。
あっ、ちなみに告白は
できませんでした。
伝えたい相手に、
どうしても会えなかったんだよね。
伝えたいことって、伝えられるときに、
話しておかなきゃね。
今日はこれで終わりっ。笑
最後まで読んでくださって
ありがとうございました。
星舟庵
西村じゅんこ