ちょっとスピリチュアル?なはじまり方

初めて健さんが私の視界に入ったのは、

今から15年前。

 

パソコンを打つ後ろ姿でした。

私たちは同じ会社で、

健さんは、隣の部署だったけど、

席は、通路を挟んで私の斜め後ろでした。

 

後ろ姿だけだったけど、

なんとなく氣になっていました。

 

 

そして、そのときは訪れました。

お昼休み。

健さんの横を通りぎたときのことです。

 

健さんは、

10本入りの麩菓子の袋を持って

むしゃむしゃと食べていたのです。

 

当時、健さんは42歳。

 

いい大人が麩菓子の袋を抱えて

むしゃむしゃと食べている光景が、

めちゃくちゃ面白くて

 

「麩菓子たべてるぅーーーっ!驚」

 

と、大声をあげてしまいました。

 

フロア中に響き渡るような

バカデカイ声で。

 

それでも、

健さんは一切動じることなく

 

「食べる~?」

 

って、表情ひとつ変えず

麩菓子の袋を私に向けて言いました。

 

「いえ、いいです。スミマセン・・・」

 

と、言って私はその場を去りました。

 

でも、しっかりと見ました。

左手の薬指の指輪を。

 

廊下を歩きながら、

 

「なぁ~んだ。結婚してんだ。

そりゃそうだよね~」

 

と、少し残念に思った次の瞬間!

 

健さんと私の生活している映像が

脳裏に一瞬だけ浮かんだんです。

 

そして、

 

「私、どうしてこの人と結婚していないんだろう?」

 

って、数秒間

ぼ~っと考えていました。

 

ハッと我に返って、

その映像はなかったことにしました。

 

私だって別の人と結婚していたし

まだ2年目で新婚だったし

夫婦仲はよかったし。

 

だから、さっき脳裏に浮かんだ映像が

まさか現実になるなんて

想像もしませんでした。

 

でも、ここから泥沼の12年が

始まっていくのです。

 

続きはまたそのうち

氣が向いたら書きます。

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