『魂』と『殻』
「本当に言いたいこと」を
「こう言った方がいい」
「こう言うべきだ」
「黙っていよう」
「聞かないようにしよう」
と言うような屈折した変換にさせてしまう。
魂はこの違和感、むずかずゆさ、やるせなさ、
不安、怖れ、悲しみ、怒りを全部知っている。
「あのとき、あんなこと言わなければよかった」
こんな切ない感情・出来事から、
自分の「魂」を守るためにその都度、
何度も 氣づかないうちに 魂を覆っていく。
それが「殻」。
この殻が厚い人ほど、
幾重にも重ねた人ほど、
「私はなんてダメなんだ。なんて小さいんだ!」
と錯覚してしまう。
他人を蔑むことで、
自分を誤魔化しているときもある。
本当は、殻の中に埋もれた魂も
殻を全て取り去った後に残るむき出しの魂も
どちらも同じ大きさ。
他人ばかり見るから本当の自分の
大きさ、深さ、温かさに氣づかない。
魂を「本当になりたい自分」と置き換えてみる。
自分を縛る「殻」が見えてくる。
西村健